【♯dialogue02:live in sense ReBuilding Center JAPAN】 everyone welcome

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多様な人が集まる職場で、それぞれが働きやすい場、 安心して仕事を楽しめる場を創るために、ともに働く人たちが対話を重ねる。 長野県内でそんな対話を大切にしているlive in sense ReBuilding Center JAPANを訪ねました。

建築建材のリサイクルショップ『ReBuilding Center JAPAN』、 通称『リビセン』は、「ReBuild New Culture」という理念をベー スに、カフェ『live in sense』を併設しています。2022 年にカフェ を全面改装することになったいきさつについて、カフェ担当の松 澤さんと、きっかけを作った伊東さんに教えていただきました。

車いすの人も過ごしやすい空間に

松澤美也さん

2016年にオープンしたカフェ『live in sense』は、2022年に店を一旦閉じて、2か月かけて全面改装を行いました。大きな目的は、車いすを利用する人や小さい子を連れた人も過ごしやすい空間にすること。踏み出すきっかけをくれたのは、2021年にスタッフになった伊東未貴さんでした(現在は退職)。

未貴さんは体調によって車いすが必要で、一緒に過ごすうちに、トイレに向かう通路が狭くて車いすだと通ることができず、トイレも使いづらいことがわかりました。この不便さは、きっとベビーカーを使う人にとっても同じ。改装チームを立ち上げ、未貴さんの意見も聞きながらプランを練っていきました。通路を広げ、授乳やおむつ替えもできるゆったりとした多目的トイレができました。また、キッズスペースも、大人がカフェでくつろぎながら子どもを見守れる位置に移動し、安心して楽しめる空間となりました。

このように改装後、お越しいただく方に対して間口が広がっていることを実感しています。そして、より多くの方が気軽に立ち寄ることのできる場所でありたい続けたいのです。私たちが大切にしている考え方の一つである「everyone welcome」を、これからも体現していきます。

『live in sense』店内。改装して段 差のないフラットな空間に。

幅を広げた通路。改装前、 この通路前で一度車いす か ら 降 り、 壁をつ たったり、 誰かに支えられてトイレに 向かう必要があった。

多目的トイレ。改装後、 車いすに座っていると力を入れづらく、扉の閉めにくさやカギのかけにくさがあると判明して修繕。

同じ景色を見られることが自信に

改装前は、 トイレに行くたびに誰かに手伝ってもらっていました。申し訳ない気持ち、みんなと同じように自分でトイレに行けたらいいなあという私の願いを、リビセンのスタッフさんたちが感じ取ってくれて、「多目的トイレを作ろう!」「水道管を増やすのに床をはがすことになるから、これを機に全面改装しよう」と腰を上げてくれたんです。

私は左官したり床を張ったりはできないけれど、自分の目線で「こういうのが使いやすい」とイメージを伝えることはできる。そう思って、手すりや鏡がどこにあると使いやすいか、扉は引き戸で ・・・ など、思い付くことを紙に書いて、リビセン代表の東野さん※に渡しました。その内容は、設計のヒントとして改装チームで共有してくれたそうです。

リビセンの人たちが私と同じ景色を見ようとしてくれたのがうれしかったですし、この改装
は「自分をきっかけに変わることがある」という自信をくれました。

※株式会社 ReBuilding Center JAPAN 代表取締役であり、デザイナーの東野唯史(あずの・ただふみ)さん。

伊東未貴さん

未貴さんの絵が店内のあちらこちらに。カフェ退職後、 現在は、はんこ作家・イラストレーター「イトウミキ」とし て活動中。

伊東未貴さんのインスタグラム

Instagram @minna___ohayo/

店舗情報

live in sense(ReBuilding Center JAPAN 内)

URL:https://rebuildingcenter.jp/

住所:〒 392-0024 長野県諏訪市小和田 3-8

TEL:0266-78-8967

Instagram @live in sense

Instagram @ReBuilding Center JAPAN

ナナイロ
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