2部制で行い(会場:信毎メディアガーデン)、それぞれのテーマについてグループごとに対話を深めました。
アートを通した対話の創出を試みる一方で、ナナ イロは昨年度に引き続き、対話型のワークショッ プ『ナナイロ会議』を開催し、また、今回新たに スポーツとコラボレーションする機会に恵まれました。
その様子を紹介します。
1部 「障がいのある人・ ない人の接点を創るには」
ファシリテーター:波多腰 遥さん(遊覧潜水 代表)
学生や社会人が集い、互いの話に耳を傾け、自分たちにできることを 楽しく考える時間をもちました。
「多様性×生きづらさ」をテーマに、高校生による話題提供からスタート。
松本県ケ丘高校 2 年生の 小林万桜さん、巾愛佳さん、山崎紗奈さん は「無差別の差別~違いを認めるスイッチを持つ~」と題して、身近なところにある “ 偏見 ” や “ 無意識のうちにもっているイメージ ” に目を向け、それらはどこから来ているのか、どうしたら違いのある人たちがともに生きられるのかを参加者に問いかけました。
また、長野県上田染谷丘高校 3年生の堀内京香さんは、自身の留学経験を踏まえ、「ブラジル生活から見る私と社会」について多様性の視点も交えて語りました。
松本県ケ丘高校生による視点で発表。松本県ケ丘高校生による視点で発表。
ブラジル滞在中に堀内さんがホストマザーから教えられ、印象に残っているという言葉とその意味について紹介。
ピッチの話やほかの人の感想なども参考にしつつ、「障 がいがある人・ない人の接点の創り方」を考えるワーク ショップを実施しました。
お題は「誰もが楽しめる対話 アートNAGANO WEEK を考えてみよう!」。
グループごとに「ちがいカード」を3 枚引き、そこに書かれた “ ちがい ” のある人も一緒に楽しめる場づくりのアイディアを出し合いました。
2部 「当事者も支援者もハッピーでいられるためには」
今年度から民間でも義務化される「合理的配慮」とは ・・・ ?
- ファシリテーター:波多腰 遥さん(遊覧潜水 代表)
- ゲストスピーカー : 信州大学教育学部 教授 高橋知音さん
- ゲストスピーカー : ピアカウンセラー 山口政佳さん
ゲストの話から学び、考え、グループディスカッションを行いました。
自身にADHDがあり、ピアカウンセラーとして活動する山口政佳さん、主に教育現場における合理的配慮について研究をしている信 州大学教授(教育学部)の高橋知音さんによる話題提供がありました。
山口さんは当事者の立場から「人に何を助けてほしいのかがわからない自分が、合理的配慮を求められるのだろうか」と語り、「合理的配慮」をどう捉えたらよいのか、そのメリットは?など、自身の戸惑いや疑問を投げかけました。
また、 高橋さんは「合理的配慮」の本質は「変更・ 調整」であることにふれ、基本的な捉え方に ついて説明。
参加者も一緒に悩み、また頭の中を整理する時間となりました。
「合理的配慮」という言葉から連想ゲームのように脳内に浮かんだ言葉や考えをつかまえ、メモに書き出したものを並べて話をする山口さん。
主に教育現場における合理的配慮について研究をしている信州大学教授(教育学部)の高橋知音さんによる話題提供によるディスカション
高橋知音さん
信州大学教育学部 教授
臨床心理士・学校心理士・特別支援教育スーパーバイザー。専門は教育心理学・臨床心理学で、主に、“多様な学生が大学で学びやすくするために何ができるか”についての研究に取り組んでいる。長野県発達障がい者支援対策協議会では、「連携・支援部会」の部会長を務める。
山口政佳さん
グループホームここっち経営者
ピアカウンセラー
20代のときにADHDと診断され、いまは同じ「当事者」という立場で、障がいのある人の相談に応じるピアカウンセリングに携わっている。また、「自分も“利用者”として住みたいと思える楽しい場所を作りたい」という思いからグループホームを立ち上げ、運営に携わっている。