【インタビュー:一般社団法人 小林未歩さん 】「一人一人が安心できる繋がりをもてるように、自分事”として捉えられる場に」

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「多様性」というテーマは、他人事として捉えられやすいので、参加者の方が自分事として捉えられる場にしたいと思ってプログラムを設計しました。会議では、多様性ということを念頭に、現状感じている働きづらさや、学校生活における疑問や違和感などについて、活発に意見が交わされました。このようなワークショップをあちこちで行っていますが、今回ある参加者の方から「“知らないこと”が生きづらさを助長しているんじゃないか。自分自身が生きづらさをつくっているのかもしれない」という意見が出たんです。そういうことを言語化して教えていただいたのは初めてで、私自身気づきをいただいたナナイロ会議でした。

今回は自分を振り返る内容がメイン。次のステップとしては、「じゃあ偏見や差別があったときに自分には何ができるだろう?」というように、多様性に対するアクションを考えてシェアする時間が必要になってくるのかなと思います。

知ることが多様性への一歩

生きづらさは自分で軽減することができる、生きやすい環境は自分自身でも友達との間でもつくっていける感覚をつかんでいただきたくて、最後のワークシート(私の“困り感”)を取り入れました。感想で「もっと自分を知りたい」「これからは自分のことを周りに伝えていきたい」という意見があったので、そこは届けられたかなと思います。

わたしは、「多様性」とは、一人一人が安心できる繋がりをもっている状態だと思っています。そのためには自分を知り、相手を知る。そして伝え合うことが大事。今回ナナイロ会議に参加してくださったみなさんが、そういう場づくりにかかわる一人一人になっていってくださったらうれしいです。

小林未歩さん

一般社団法人Otonoha

「障害者差別」を幼少期から目の当たりにし、中高時代には自身も「喋れない・固まる」という症状に悩み「生きづらさ」をたくさん感じてきました。その中で「障害」に興味を持ち、筑波大学人間学群障害科学類に入学(2017)。
学業と並行しながら、表現教育でのボランティア活動や、海外孤児院でのミュージカル共創を通じて、延べ1.5万人の子どもたちに場づくりをした経験から、表現教育の可能性、一人一人が安心できる環境開発の必要性に気づき、「真のインクルーシブ社会」を目指しOtonohaを設立。


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