対話アートNAGNOWEEK展企画のキュレーターの小川泰生さんお話を伺いました。
「対話アート」とは
僕は『西駒郷』(駒ヶ根市)という障がいのある人の支援施設で利用者さんのアート活動の支援をしています。今回のアート展では、そこで精力的に創作をしている方々の作品も多く展示しました。
「“対話アート”って何?」「アートと対話するってどういうこと?」と思った方もいるかもしれませんが、そんなに難しいことではないんです。作品を鑑賞すること自体が対話。その背景にあるものを想像する、何かを感じ取る、気づきを得る・・・といったことが対話アートだと僕は思っています。ある会場で流した作者の創作風景の映像を見て、「アートって自由なんだ」「これだけ豊かな表現が出てくるのに技法や技術は関係ないんだな」といった感想をもった方もいると思います。作品との“対話”を通して、そういう何らかの気づきに繋がればという思いで展示しました。
高校生と創り上げた展示を通して
主催のNANAiROさんから、アート展に際してエクセラン高等学校美術科の学生と何かワークショップをという提案をいただき、最初は一緒に何か創ろうと考えていました。でも先生たちと相談する中で、「コミュニケーションアート専攻の生徒たちなので、一緒に何かを立ち上げていくほうが自然でおもしろいんじゃないか」という話に。全3回の授業を通して、「ギャラリーノイエ」での展示を一緒に創ることになりました。
“障がい”ってマイナスのイメージが強いですが、アートを通してプラスの部分があること、こういう世界観があるんだよということを伝えるのが僕の仕事の一面だと思っています。そのことをこの取り組みを通して学生たちにも感じてもらいつつ、自分たちの感覚で作品を紹介する楽しさやおもしろさを見い出してくれていたらうれしいです。
対話アート NAGANOWEEK2022 キュレーター
小川泰生(美術作家・長野県西駒郷支援員)
インタビュー:中野