多様な人が集まる職場で、それぞれが働きやすい場、 安心して仕事を楽しめる場を創るために、ともに働く人たちが対話を重ねる。
長野県内でそんな対話を大切にしているセイコーエプソン株式会社 人的資本・健康経営本部 DE&I 戦略推進部 (諏訪市)を訪ねました。
多様である一人ひとりが能力を発揮できる企業に

ジェンダー平等推進に優れた企業として評価され、育児休業取得率について男女ともに100%を目指すセイコーエプソン株式会社。
D E & I ※の推進をエプソングループ全体の活動として動かし、社内への浸透を加速させていくことを目指す『DE&I 戦略推進部』の部長である根村さんと、課長の髙木さんにお話を聞きました。
※ Diversity(ダイバーシティ・多様性)、Equity(エクイティ・公平性)、Inclusion(イ ンクルージョン・包括性)の頭文字を取ったもの。
「DE&Iの戦略推進部」のミッションとは
セイコーエプソンでは男女関係なく活躍できる企業を目指し、2016年に『女性活躍推進プロジェクト』を設置しました。そして、活動の加速を目指し、2020年に『ダイバーシティ推進プロジェクト』が社長直下の組織として発足。
2023年には『DE&I戦略推進部』として、活動の範囲を大幅に拡大し、現在に至ります。
性別・年代・雇用形態・国籍・障がいなど、あらゆる属性に関わらず、従業員が能力を最大限に発揮できる風土をつくること。また、DE&Iが社内はもちろんのこと、社会においても浸透していくように取り組むことをミッションに掲げています。
社内への啓発や発信に注力
私たちはまず、従業員がエプソンにおけるDE&I推進の意味や目的を知ったり、考えたりするきっかけづくりが必要だと考えました。
その一つとして行っているのが、『ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンフェア』です。
5回目となる2023年度のフェアは、「なぜ、エプソンにDE&Iが必要なのか」をテーマに講演会や座談会、ワークショップなどを開催しました。
さらに、DE&I特設ウェブサイトやイントラネットなども活用して、私たちの活動内容を社内外に発信すると同時に、多様なニーズや情報をキャッチできるよう努めています。
また、従業員が働き方やキャリアアップのロールモデルを知ることで、選択肢があることに気づけるような情報発信にも注力しています。
DE&Iが当たり前の状態を全社で目指す
DE&Iを実践していくためには、まず従業員である私たち自身が多様であり、違いを認めて受け入れ合う土壌を築いていくことが大切です。
しかし、今はまだ「マジョリティ」「マイノリティ」という枠組みが存在するのが現状で、「属性を気にしない」という意識から一歩先の具体的な行動につなげていく難しさも感じています。
DE&I戦略推進部でも、課題を見える化して施策に落とし込むために、属性を分けたり、枠組みで考えたりしますが、それはあくまでスタート。
最終的に目指すところがブレないよう気をつけています。
10年後を見据え、 会社全体でDE&Iが当たり前の状態になることを目指す。
そのためには、多様である私たちがそれぞれの能力を最大限発揮し、従業員同士が安心して自由闊達な議論ができる企業文化を早期に醸成していく必要があります。
また、すべての従業員が自身のキャリアを主体的に考え、自律的な制度活用ができる環境づくりも欠かせません。
変革に向けて、私たちにできるアクションを実行していきます。
【Pick up!】「障がい者活躍座談会」
一人ひとりができることをみんなで考える

DE&I 戦略推進部のお二人のお話にあった ように、エプソンではさまざまなテーマ・ アプローチで、従業員が DE & I の考えに ふれ、考える機会の創出に積極的に取り組んでいます。
その一つの例として、2023 年11月に行われた座談会の様子の一部を 紹介します。
『ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョ ンフェア 2023』より
参加者の感想(一部抜粋)
当事者として自分の事例を発信することができてよかったです。また、自分とは違う立場の方の困りごとや必要とされている情報を聞くことがで き、参考になりました。
家族に障がいがあることを周囲に伝えることができずに、一人で悩ん でいる方が多くいることがわかりました。
子どもに障がいがありますが、これまで父親として自分の子どものこと や悩みを周囲に話す場はありませんでした。話をすることで励まされま したので、親同志のコミュニティがあればうれしいです。
障がいがある人のために、自分に何ができるのかを考えるとてもよい 機会になりました。

2023年11月に2回、社内で座談会を開催し、障がいのある当事者や障がいのある子を育てる家族などが参加して「どんなことに難しさを感じているか」を語り合いました。
このような内容の座談会は初めての試みでしたが、DE&I戦略推進部として何ができるかを考える貴重な機会となりました。(DE&I 戦略推進部 髙木操さん)
従業員の方にインタビュー
Q:今の職場環境で、ご自身の働きやすさにつながっていると感じることはなんですか?
A:私には聴覚障がいがあり、職場で音声を文字Aに変換するソフトウェアを使用しています。
有償のものは会社が費用を負担してくれて、 とても助かっています。
また、会話をするときにヘッドセットを装用すると音声の認識率 が上がるので、会議では参加者の方にも装用のご協力をお願いしています。
頼みづらさもありましたが、DE&I 戦略推進部による「合理的配慮」についての講習会を職場メンバー 向けに実施してもらい、理解と協力につながる機会となりました。
Q:エプソンの DE&I に期待することは?
A:社内での認識や取り組みに個人差があるので、 DE&I を推進することで職場の風土がよくなり、 仕事の成果も上がることを実証・実感していけると、より全体の意識が変わってくるのではないでしょうか。
そうなるよう、私自身も今の仕事にしっかり取り組みたいです。
また、聴覚障がい者が健常者と同じ環境で成果を出し続けることは、難しさも正直あります。
適切な合理的配慮の内容を職場と当事者双方ですり合わせるとともに、キャリアアップの可能性を一緒に議論できると、より前向きな気持ちで仕事に臨めると思います。
企業情報
セイコーエプソン株式会社 本社
〒 392-8502 長野県諏訪市大和 3-3-5
TEL :0266-52-3131(代表)
